研究概要 |
カオス発生回路の回路パラメータを時間的に変化させた場合,すなわちパラメータ励振した場合,もしこのパラメータがカオスの発生に本質的な役割を果たすものであれば,カオスの発生機構が時間的に変化するために元のカオス発生回路で発生するカオスよりも複雑な様相を示すことは容易に推測できる。またパラメータの時間変化がカオス的であれば,さらに複雑なカオスが発生することが予想される。本研究では2つのカオス発振器の出力でもって互いに他の発振器のカオス発生機構に関係するパラメータを変化させた場合,すなわち相互たすきがけ結合した場合に発生するカオスについて研究したもので,単一の発振器よりもきわめて複雑なカオスが発生することがわかった。2つの発振器の出力の組み合せによっては,その確率密度分布や周波数スペクトルには従来のカオス発振器には見られなかったような性質を示すことがわかった。
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