研究課題/領域番号 |
11650414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
春日 正男 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00280909)
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研究分担者 |
目加田 慶人 宇都宮大学, 工学部, 助手 (00282377)
長谷川 光司 宇都宮大学, 工学部, 助手 (50272761)
阿山 みよし 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30251078)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 臨場感 / バイノーラル信号処理 / 音場再生 / IIRディジタルフィルタ / 頭部伝達関数(HRTF) / 水平面全方向の音像定位 / 視聴覚相互作用 |
研究概要 |
近年、映像呈示用ディスプレイの大画面化、高精細化が進み、高画質な映像が比較的容易に得られるようになった。音声・音響信号においても、ディジタル信号処理技術の発展により、高品質な信号がより簡易に取り扱えるようになった。このような背景の下、あたかもその場に臨んでいるような感覚、すなわち臨場感がある空間の再生、または創生への要求はより一層高まってきている。臨場感のある視聴空間を得るためには、視覚と聴覚各々の情報の高品質化はもとより、それらを統合的に扱った場合の相乗効果も重要な要因の1つであると考えられている。そこで、本研究では、簡易な方法であるIIR型ディジタルフィルタをバイノーラル信号処理に応用して臨場感ある音場を再生する技術と、AV相互作用に関し、番組内容に映像と音声を同時に呈示した時のAV相互作用に関し、人間が感じる音像定位の特性について検討する。まず、音場再生技術については、IIRフィルタを用いて近似したHRTFを用いて、2スピーカ再生による音像定位実験を行った。その結果、IIRフィルタによってHRTFをある程度の精度で近似することにより、FIRフィルタを用いる方法と同程度の音像定位が実現できることが分かった。この結果、実時間による音場再生の可能性が見出せた。また、AV相互作用に関する検討では、人間が感じる音像定位は、全体的に音像の定位の確信度が高ければ音像は映像に引っ張られにくく、逆に低いほど映像に引っ張られやすい傾向がみられた。この結果は、広領域での視聴覚相互作用を議論する場合、音像定位の精度は、映像と音像の相対的な位置関係と同様に、重要な要素であることが分かった。なお、今回の実験では、被験者が5段階で評価する確信度を基準とした音像定位の正確さについて検討したが、今後、音像の奥行きや広がり感などを考慮した検討も残された課題である。
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