超高速波形計測技術で直面する様々な問題を解決するための"波形計測アルゴリズム"の研究、とくにサンプリング技術に関する問題をアルゴリズム面からアプローチし、以下の結果を得た。 ● ジッタを含むクロックでサンプリングされたデータのジッタによる影響のための精度劣化の公式を導き、数値シミュレーション・実験で検証した。 ● 実際のトラック・ホールド回路、AD変換器等での波形サンプリングにおいては瞬間的にサンプリングが行われるのではなくある一定の有限時間(アパーチャ時間)をかけて行われるが、このためとくに高周波入力に対して精度が劣化する。この有限アパーチャ時間と精度劣化の関係式を導いた。 ● さらに有限アパーチャ時間およびサンプリング・クロック・ジッタの両方が存在するときの精度劣化を定量的に表す公式を導き、数値シミュレーションで検証した。 ● 標準波形発生器に用いられるデジタル・アナログ変換器(DA変換器)において、サンプリング・クロック・ジッタの影響を定量的に示す公式を導き、数値シミュレーションで正当性を確認した。 ● 高速波形サンプリングのためのインターリーブ・サンプリング回路において、各チャネル・サンプリング回路間でのオフセット、ゲイン、タイミング、線形性、帯域のミスマッチの影響を数値シミュレーションで調べ、定性的・定量的な結果を得た。 ● サンプリングのためのトラック・ホールド回路の動的消費電力の公式を導いた。
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