発声における知覚の能動的な関与を測定し得る、新しい高精度な時間領域における声帯振動タイミングの抽出方法を発明した。本方法は、一昨年度から開発を進めていた高品質音声分析変換合成システムSTRAIGHT用の基本周波数抽出部分用に発明した、瞬時周波数の局所的なS/Nに基づくFφ抽出法と双対な概念に基づくものである。本方法の精度は誤差の標準偏差として評価すると100μsec以下であり、従来の方法では検出が不可能であった相互作用の測定が可能となると考えられる。また、これらの発明と平行して、聴覚系の能動的な関与をモデル化した、歌唱音声のFφ制御機構を、運動制御の一般理論に基づきプログラム試作し、実現可能性を検証した。
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