柔らかな形態機能を発現する接触行動体として、走触性移動ロボットの開発を行った。この移動ロボットの移動機能は小型の全方位行動を行うホロノミック車輪機構によって行い、これをT-OMNI(Tiny-Omnidirectional and Holonomic Wheeled Platform)と名付けた。そして、このロボットシステムはT-OMNI形移動ロボットと命名した。 さらに、このT-OMNI形移動ロボットはTactual ID(Tactual identification)機構が導入され、複数のT-OMNI形移動ロボットの中から特定のロボットを触覚センサによる触覚像の取得によって同定する方法を開発した。 それぞれのT-OMNI形移動ロボットの同じ高さの位置に、触覚像を取得する触覚センサとIdentification tagとなるレリーフパターンを構成して、T-OMNI形移動ロボットが他のT-OMNI形移動ロボットと接触して、そのとき触覚センサがレリーフパターンと接触して触覚像を取得することによりT-OMNI形移動ロボットの同定を行うものである。 各オムニホイールの制御方式を開発し、また、T-OMNI形移動ロボットの移動と姿勢の制御方式を確立し、T-OMNI形移動ロボットの走行実験に成功した。さらに、数種類のレリーフパターンの構成を行い、その触覚センサによる触覚像の取得と処理実験が実施された。 今後の課題として、複数のT-OMNI形移動ロボットから目的のロボットを実際に見いだす実験が残されている。
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