1.植物葉面で観測される対傷害防御または応答シグナルの観測系(下記)を本研究に駆使できるように構築・整備完了した。 (1)葉面極微弱生物フォトン発光計数システム (2)葉面微弱クロロフィル発光計測システム (3)自発性微弱AE(超音波放出)信号計測系 (4)葉面電位信号計測系統 並びに (5)2室分離型カプセル状シャッタ/遮光暗室を製作した。 2.上記(1)と(2)について、フォトン発光、クロロフィル発光の葉面2次元分布(イメージング)画像構成プログラムの立ち上げ調整を完了した。これにより、同一個体の任意の葉に加えた冷熱刺激が、冷熱刺激を加えていない同一個体の別の葉に伝達している兆候をクロロフィル蛍光強度変化により検出できることを突き止めた。 3.植物個体内部の対傷害防御指令に対応するmRNAの発現を検知するための遺伝子解析システムの導入と同システムの立ち上げ、調整を完了した。このシステムを用いて害虫の加害を受けた稲と受けていない稲のそれぞれのmRNAの検出手法を確立した。この手法により、加害を受けた稲と受けていない稲のそれぞれのmRNAに有意差が確認された。 上記2.3の結果から、植物個体内部の情報伝達機構や情報の内容を探知できる可能性が裏付けられた。植物同士の情報交換機構についても把握できる見通しが得られた。
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