研究概要 |
老齢化社会の到来と共に,家庭内における移動や入浴等の介護を行うロボットや,電動車椅子のような自立歩行を代行する移動手段,あるいは手荷物用の小型搬送車といった福祉介護機器の開発に対する要求はますます高まっている。本研究は、現状において大幅に立ち後れている駆動エネルギーの長期安定供給法の開発に資する目的で行われている。 開発されるべき電力供給システムには物理的および心理的面でバリアフリーなものが求められる。すなわち,床面あるいは屋外の路面に新たな段差や凹凸を作らないこと,エネルギーの補充は機器の使用者の操作を伴わず自動的に行う一方,使用者の意志により自由に停止,再開が可能であること,かつ,それら動作状況を常時,適切に知らせるマンマシンインタフェースが備わっていることなどが重要である。 システムにおける送電側は商用配電線に接続し、受電側はコンバータを介し、所望の機器に接続されるもとのする。2ヶ年の計画の初年度の研究によって、まず、受電側の機器の位置を自動検出、追尾し、受電側機器直下に位置する送電回路のみを動作させる新しい回路方式について検討を加え、その方式の有効性を実証することができた。 さらに複数の機器を同時使用した場合の制御法について検討し、あわせて漏洩磁界分布や周囲の温度環境について実験的評価を行った。これにより、本システムを屋内で使用する場合における安全性について確認することができた。
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