研究概要 |
本研究は連続時間確率システムの実現理論を構築し,それに基づいた連続時間システムの部分空間同定法のアルゴリズムを提案することである. 1)連続時間システムを等価なδオペレータ離散時間系に変換し,それにMOESP法を適用することにより連続時間システムに対する新しい部分空間同定法を提案した.関連する他の方法と比較検討を行い,本方法は他の方法に比較して簡単であり,かつ同定性能も劣らないことをシミュレーションによって確認した.これは,国際会議The 31st ISCIE Int.Symp.on Stochastic Systems(横浜,1999年11月)で発表し,システム制御情報学会論文誌にも投稿中である. 2)閉ループ連続時間システムの部分空間同定に対して新しい方法を提案した.まずdual-Youlaパラメトリゼーションを利用して閉ループ系の同定問題をそれと等価な開ループ系の同定問題に変換する.ついで変換された連続時間システムにδオペレータを利用した部分空間同定法[上記2)]を適用して開ループ同定を行い,しかる後に伝達関数の変換によってプラントの伝達関数を求める.このとき,同定されたモデルの次数はプラントの次数と制御器の次数の和となるので,ここではMeyerの低次元化法を用いる方法を提案している.この結果は,The 3rd ASCC(第3回アジア制御会議,上海,2000年7月)で発表する予定である.
|