研究概要 |
本年度の研究成果は以下の通りである. 1.昨年度開発した,1入力1出力系に対するウェーブレット変換さ用いた同定手法を,2入力2出力フィードバック系に適用可能なように拡張した. 2.同定した伝達関数から計算される出力(予測出力)の平均2乗誤差に基づいて,システムの非定常区間を特定する方法を開発した. なおこれに関連して,定常系に用いられるヴェルヒ法(Welch法)の適用限界を明らかにした. 3.相関関数のウェーブレット変換(周次数依存窓つきフーリエ変換)によるスペクトルの正規化について検討した. 4.本年度確立した手法を,火力発電所内水管式ドラムボイラ制御系(非定常性をふくむ2入力2出力フィードバック系)に応用し,その実行可能性と有効性を示した. 今後は,相関関数を経ない方法,信号を直接ウェーブレット変換する方法の開発と手法間の比較,および効率的な計算手法の開発が必要である。
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