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2000 年度 実績報告書

背景脳波特徴の変動解析のためのスパイク波形除去

研究課題

研究課題/領域番号 11650458
研究機関福岡工業大学

研究代表者

西田 茂人  福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (10156078)

キーワードスパイク / 背景脳波 / 相似係数 / 持続変動 / P300 / 瞬目アーチファクト / 心電図アーチファクト
研究概要

背景脳波は,脳波の中でも基本となる持続的な波である.スパイクは,てんかん患者の背景脳波に埋もれて出現する突発性異常脳波であり,誘発電位は,外部刺激に対する中枢神経系の反応であり,脳波に混在して記録される.スパイクや誘発電位が発生した時の背景脳波の特徴の変動特性を明らかにするために,スパイクや誘発電位波形を高精度で除去する必要がある.また,眼球運動による瞬目アーチファクト(雑音)や心電図のアーチファクトが背景脳波中に混入して記録される場合があり,このような場合にも背景脳波の特徴を抽出するためにアーチファクトを高精度に除去する必要がある.
本研究では,背景脳波の変動特性を解析するために,記録データからスパイク波形を高精度に除去する方法の開発を目的とした.スパイク波形は,振幅のみならず,波形幅(持続)までもが変動するために,スパイク波形を検出し,高精度に除去することは容易ではない.そこで,本研究では,持続と振幅が共に変動する波形において,標準的波形パターンとの間の波形形状の近さを表わす指標として有効な相似係数を提案し,これを用いてスパイク波形の高精度除去法,およびスパイク波形の持続と振幅の変動特性を推定する方法を提案した.さらに,相似係数を,誘発電位の一つであるP300波形の抽出および変動特性の解析,瞬目アーチファクトの除去,心電図アーチファクトの除去に適用し,良好な結果を得た.相似係数は,それ以外にもいろいろな波形の除去に適用することができる.
本研究の成果としては,相似係数の提案とスパイク波形の高精度除去に関しては医用電子と生体工学の論文誌に,相似係数を用いたスパイク波形とP300波形の変動特性解析に関しては臨床神経生理学の論文誌に掲載された.さらに,瞬目アーチファクトの除去に関しては臨床神経生理学の論文誌に掲載決定され,心電図アーチファクトの除去に関しても学会での講演発表を行った.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 西田茂人: "持続と振幅が変動する脳波単発波形抽出のための相似係数"医用電子と生体工学. 38. 212-219 (2000)

  • [文献書誌] 西田茂人: "相似係数を用いた脳波単発波形の振幅と持続の推定法"臨床神経生理学. 29. 49-56 (2001)

  • [文献書誌] 中村政俊: "相似係数を用いた推定波形による脳波中瞬目アーチファクトの除去"臨床神経生理学. 29(掲載決定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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