本研究では未知環境において適応的な行動を獲得するために、多数の脚を有するロボットを対象に、さまざまなセンサを用いて柔軟に複雑な地形を歩行可能なシステムの構築を目的とする。本年度は、認識と行動制御の融合をめざし、多数の自由度を有するシステムを制御するために、自律分散協調メカニズムに焦点を当てた。 1.不整地歩行ロボットの設計指針の検討 ・トルク配分と軽量化の観点から多脚ロボットの新しい設計手法を考案した。 ・カメラ画像、力トルク情報、エンコーダ情報に基づくロボットの状態推定について検討した。 2.月面探査ロボットの検討 ・不整地の例として、月面探査クレータ内を探査することを想定し、多脚ロボットの要求機能について検討した。 3.画像情報に基づく環境認識手法の確立 ・画像情報をもとに障害物認識を含む環境認識を高速に行う手法を構築した。また安全な経路計画手法を考案した。 4.各脚サブシステムによる自律分散行動の生成 ・脚のサイズや自由度に依存しない基本歩行アルゴリズムを構築した。 ・シミュレーションにより有効性を示した。
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