本研究では未知環境において適応的な行動を獲得するために、多数の脚を有するロボットを対象に、さまざまなセンサを用いて柔軟に複雑な地形を歩行可能なシステムの構築を目的とした。平成11年度は、認識と行動制御の融合をめざし、多数の自由度を有するシステムを制御するための自律分散協調メカニズムの研究を行った。平成12年度は、自律分散協調メカニズムに基づいて多脚ロボットの行動パターン生成について検討した。また実験用ロボットを試作し、実験的検討を行った。さらに軽量化を考慮した設計手法を提案し、その有効性について検討を行った。 1.各脚サブシステムによる自律分散行動の生成 ・遊脚および接地脚の役割の明確化および協調動作に関する検討を行った。 ・脚の配置や本数に依存しない歩行アルゴリズムを構築し、歩行パターンの自動生成手法を構築した。 ・ロボットに依存しない汎用歩行アルゴリズムに関してチューニングパラメータを抽出した。 2.不整地走破のための歩行アルゴリズムの検討 ・不整地を移動するために、地形の凸凹に基づいて姿勢変更を行う歩行手法を考案した。 3.軽量多脚ロボットの設計手法の検討 ・重量配置を工夫することにより軽量多脚ロボットの新しい設計手法を考案した。 ・移動速度、エネルギなどをパラメータとしてロボットの設計手法の性能評価を行った。 4.多脚ロボットによるシミュレーションおよび実験的検討 ・多脚ロボットの歩行アルゴリズムに関してシミュレーションにより有効性を示した。 ・実験用多脚ロボットを試作し、静止および移動時のトルクなどの評価を行った。
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