研究概要 |
1.エコセメントの鉄筋腐食に及ぼす暴露環境及び中性化の影響 エコセメントに含有される塩化物により実際に鉄筋腐食が発生するかどうかを長期にわたる乾湿繰り返しの試験により検証した。また,中性化が同時に作用した時に,どのような影響が現れるかを調べるために,中性化試験後に乾湿繰り返しの試験を実施した。その結果,高塩化物形のエコセメントは、通常の乾湿繰り返しの条件下でも鉄筋腐食が発生するが、この場合水セメント比が小さくなると発生時期が遅延する。それに対して、低塩化物形のものは水セメント比には関係なく鉄筋腐食は発生しないことが明らかになった。また,エコセメントは通常のセメントよりも中性化が大きくなり,中性化後に乾燥・湿潤の繰り返しを受けると短期間に鉄筋腐食が増大することが判明した。 2.エコセメントの鉄筋腐食に及ぼすフライアッシュの効果 エコセメントの鉄筋腐食に及ぼすフライアッシュの効果を調べるために,塩水噴霧環境下でのモルタル中の鉄筋の腐食挙動を検討した。その結果,フライアッシュによる抑制効果はフライアッシュの品質とその置換率の影響を大きく受けるが,エコセメントでも通常のセメントの場合と同様にフライアッシュの添加によりモルタルへの塩分浸透性が低減するので,鉄筋の腐食性状を大きく改善できることが判明した。
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