研究課題/領域番号 |
11650468
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
中澤 隆雄 宮崎大学, 工学部, 教授 (70041027)
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研究分担者 |
新西 成男 宮崎大学, 工学部, 助手 (00274770)
今井 富士夫 宮崎大学, 工学部, 教授 (00038077)
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キーワード | ポーラスコンクリート / ぼら / 水質浄化 / 空隙率 / 全有機炭素 / 全リン |
研究概要 |
今年度は、南九州に広く分布する、低強度ではあるが透水性および通気性に富む性質を有する火山性の軽石であるぼらと一般によく用いられている石灰石を粗骨材としたポーラスコンクリートの水質改善効果を確認するため、骨材の粒径や空隙率を変え、これらが水質浄化性能に及ぼす影響を検討した。 10×10×40cmの角柱を作製し、試験供試体とした。骨材の粒径は5〜10mmと10〜15mmの2種類とし、水セメント比はすべて35%とした。供試体の空隙率は20、25、30%の3種類とした。有機炭素、窒素、リンを含む人工下水を20ml/分の速度で流入させ、滞留時間が2〜3時間となるように設定した。生物幕の形成度を示す評価項目として、TOC(全有機炭素)を用い、栄養塩類の除去効果には、全リンの除去率を用いた。また、生物膜が発達した場合には、酵素不足になる可能性があるため、エアーポンプにより1.5リットル/分の曝気も行った。さらに、藻類が繁殖しやすいよう、蛍光灯により2000ルクスの光を供試体に対して12時間毎に点灯、消灯した。人工汚水を流入開始後、流入側と流出側でTOC、全リン、溶存酸素濃度、pH、水温等の経時変化を測定した。 実験の結果、以下の諸点が明らかになった。 (1)骨材粒径5〜10mmのぼらおよび石灰石砕石を骨材として用いたポーラスコンクリートのTOCの除去率は、ポラでは実験開始後約70日目以降において約80%程度、石灰石砕石では実験開始後約40日目以降において約60%程度であり、ぼらを用いたものが高い除去率を示した。 (2)骨材粒径10〜15mmを用いた場合のTOCの除去率は、ぼらを用いたものでは終始60〜80%であったのに対し、石灰石砕石を用いたものでは60%以下であった。 (3)全リンについては、実験開始時では両粒径ともばらより石灰石石砕石を用いたものが高い除去率を示したが、粒径5〜10mmの約70日目頃、粒径10〜15mmの約50日目頃においては、ばらが高い除去率を示した。
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