研究概要 |
水が浸透しても十分な支持力が得られる透水性舗装の改良路盤,路床を作成するため,水砕スラグと生石灰及び水砕スラグの微粉末したものを混合した.その結果,潜在水硬性を発揮し,十分な支持力と透水能力を持つ改良路盤,路床を作ることができた.しかし生石灰は発熱による工事の危険性が伴い,また浸透した水のpHが12以上となるためその改善策について検討した.生石灰の代わりに消石灰を加えたものは作成時の危険性はなくなり支持力,透水性は十分に確保出来たが,pHは11程度の下がっただけである.アルカリ性刺激剤としてpHの多少低い水砕スラグの微粉末と水和反応を促進させるため石膏を使用した.その結果,支持力も透水性も十分得られpH値も早い段階で9程度に抑える事が可能になった.この改良路盤,路床材は保水能力にも優れ,飽和した砕石路盤では空隙中の水分は1日で10%程度まで減少するが,改良路床では2週間経過しても50%程度の水分を保有することが可能である.現場実験によれば夏期の舗装表面温度は,通常の舗装の場合外気より20℃程度高くなるのに対し,改良路盤,路床は50mm程度の雨量があれば舗装表面は外気温より10〜15℃程度しか上昇せず,さらに一度の降雨でその効果が10日間程度持続することが判明した. 透水性舗装の表層,基層に使用される開粒度アスファルト混合物の目潰れ防止策として数種類の変形ステンレス繊維を混合させた.その結果,アスファルト混合物の弱点である高温,低速荷重に対して,特に両端突起を持つ形伏のものがクリープ現象に対し効果があることが分った. 平成10年に改良路盤,路床(生石灰使用)を用いた試験舗装(C交通供用中)は2年経過しても支持力,透水性とも設計条件をクリアしておりその機能を発揮し続けている.
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