研究概要 |
1.銑鉄を製造する際発生する水砕スラグの潜在水硬性を利用し,アルカリ性刺激剤として生石灰等を用いた場合,水砕スラグ生産後1年以上経過したものでも十分な強度,透水性を得ることが可能である.しかし,この路盤材料に雨水が浸透した場合,その浸透水は強アルカリ性となり有害となる.このため,刺激剤としてpHの低い粉末化水砕スラグや水和反応促進剤として石膏を用いた場合,古い水砕スラグを使用すると,所定の強度が得られないことが判明した.この場合,水砕スラグの使用は生産後半年程度であることを確認した.また浸透した雨水がpH8.6以下になるためには生石灰等では1cm^2当り30〜40lの水の通過が必要であるが,粉末化水砕スラグの場合には5l程度でよく,さらに施工1週間後に酢酸及び酢酸ナトリウムの水溶液を散布することにより2l程度の水でpH8.6以下となることが判明した. 2.透水性舗装の補強材として繊維状ペットボトルを混入しその効果を期待したが効果は得られなかった.一方廃車のフロントガラスを粉砕した材料を骨材の代わりに使用した場合,マーシャル,恒圧試験結果から使用可能との結果が得られた. 3.改良路盤,路床は時間雨量1000mm程度の浸透能力を有し,一度保水すると2週間程度経過しても空隙中に50%程度の水を保水することが可能である.2日間で80mm程度の雨量があった場合,夏期の舗装表面温度は通常舗装に比べて3〜5℃程度低く,この効果は降雨後1週間程度持続することが判明した. 4.改良路盤,路床を用いた透水性舗装と通常の排水性舗装の試験施工(全100m, C交通)の追跡調査では2年以上経過しても透水性舗装の横断形状は,排水性舗装の2倍以上の平坦性を保ち,FWDによる変形量D_0についても排水性舗装の1/2以下と強度増加が見られた.
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