本年度は、高速多重極境界要素法を使った大規模解析・並列処理のための準備を行ない、とくに波動問題においてこれまでの手法の改善と拡張を行った。 ・境界要素法における反復解法の前処理法の開発。境界要素法の係数行列は特殊な性質を持っており、問題の種類によっては要素数の増加にともなって反復回数が著しく増大する。Wavelet変換を用いた前処理手法が有効に使え、高速多重極法の利用も可能であることを示した。(一部公表) ・本格的な並列処理の予備段階として、2台のワークステーションを使った並列解析コードを開発中である。次年度以降に5〜6台の機種の異なるワークステーションを使った並列処理を実現するための準備ができた。(未公表) ・波動問題の大規模解析においては、必然的に波数の大きな問題を扱わなければならない。大きな波数の問題を経済的に扱うために高速多重極境界要素法の改善を行なった。また、3次元波動解析のための高速多重極境界要素法のコードを開発した。(一部公表) ・大規模実用解析においては非均質領域(多相領域)を解析することが必然である。2次元動弾性問題および3次元静弾性問題において、非均質領域解析のためのコードを開発中である。(未発表)
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