本年度は、PCクラスターの改善を試み、並列処理プログラムの開発を継続すると同時に、大規模境界要素解析のために必要な、データ生成法、反復解析のための前処理法について研究を行なった。 ・PCクラスターの改善と並列処理コードの開発。より効率の良い計算を実行するために、PCクラスターのOSのバージョンアップを行ない、ネットワーク性能を改善した。同時に、メッセージパッシング方式の並列計算コードの開発を行なっており、現在プログラム開発が進行中である。(未公表) ・大規模解析のためのデータ生成法の研究。数100万要素を超える境界要素データを人力で作成することは不可能である。ここでは、CADデータやGISデータから境界要素データを自動的に作成するための手法を開発する。現在、任意の曲面(平面を含む)上の点を均質的にサンプリングする手法の開発に成功しており、サンプリングされた点集合から境界要素データを作成する手法を開発中である。(一部公表) ・反復解法の前処理法の開発。昨年度に引続き、Wavelet変換を用いた前処理法の開発を行なった。高速多重極境界要素法に適用できるWavelet変換前処理法の開発に成功しており、従来よりも効率の良い反復解析が可能となった。(公表) ・解析結果データの効率的生成法の開発。境界要素法においては、領域内部および境界上の解析結果データを境界値データから再計算して求める必要がある。領域内部のデータについては高速多重極法を使って効率的に計算値を求めることができる。境界上あるいはその近傍のデータを精度良く計算する方法について研究中である。(未公表)
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