研究概要 |
1.ドイツ連邦交通省発行「鋼・コンクリート合成構造の道路橋」およびわが国の既設合成桁についての文献等を調査し,合成桁用RC床版およびPC床版設計・施工を進めていく上で,注意すべき点,および新しい技術開発を進めるうえでの解析手法,ひび割れ幅制限,省力化架設法などについて検討を行った. 2.不完全合成桁理論を用いて有限要素定式化を行い,クリープや乾燥収縮による応力・変形解析のための解析プログラムを作成した.その際,数式処理言語Mapleと代数演算支援ソフトMATLABを使用して解析プログラムを開発した. 3.高強度の異種材料で補強された鉄筋コンクリート梁も合成構造の一つであるので,そのような合成梁を解析対象として,終局挙動およびひび割れ解析を実施し,補強によるじん性の増大の効果や使用限界状態におけるひび割れ制御設計法について検討した. 4.10径間2主鋼連続合成桁の実施設計 建設コスト縮減には少数主桁の連続合成桁が有効であることから,10径間2主鋼連続合成桁を対象として道路橋示方書や欧米の設計基準を用いて実施設計を行った.その際,基本計画,計算モデル,主桁の計算条件,床版の計算条件などをきめ細かく検討するとともに,コンクリート剛性,クリープ・乾燥収縮,鋼材拘束の取り扱い方法を変化させた4ケースの条件での比較計算を行った. 5.本研究室で所有の汎用FEMコード(MARC)を用いて立体解析を行い,上記モデル化の検証するとともに,現在,中間支点部のRC床版の主桁作用と床版作用の影響を明らかにするための解析を進めている.
|