研究概要 |
平成13年度は,研究計画・方法に基づき,集成材等を使用した近代木橋の2橋に対する実橋実験の実施実験と解析に基づく近代木車道橋の動的パフォーマンスの実態把握,および走行車両による近代木橋の3次元動的応答解析の定式化を検討した。その結果,下記に示すように,近代木橋に対する貴重な知見と成果が得られた。 1.平成13年8月に,近代木車道橋である「坊中橋」(秋田県),「百目石橋」(秋田県)に対するダンプトラック車2台を用いた静的および動的な実橋実験を実施した。現在、その実験データを分析すると共に,3次元構造解析モデルを作成し,解析結果を実験結果の整合性を検討している。そして,実験と解析の両面から静的・動的特性,構造剛性,設計係数の検証を行い,近代木橋の設計法,構造特性,構造剛性評価等に検討を加えている。 2.木橋の動的パフォーマンスの実態把握と鋼橋梁やコンクリート系橋梁との構造特性や振動特性の比較を論究した。その結果,鉛直曲げ1次の固有振動数から評価すると,近代木橋は他橋梁と同等の剛性を有しており,強度や安全性にも遜色が無く,近代木橋の発展に対する工学的に極めて有意な知見が得られた。 3.近代木車道橋である「神の森橋」「杉の木橋」「金峰2000年橋」,「木のかけはし」,「みどり橋」を対象に,走行車両による3次元動的応答解析を実施し,動的応答特性を評価すると共に,設計衝撃係数に検討を加えてより合理的な設計係数の評価ができた。
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