研究課題/領域番号 |
11650498
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
櫻井 孝昌 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (80024298)
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研究分担者 |
川西 直樹 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (60300589)
忠 和男 豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (20141898)
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キーワード | 実検 / 弾塑性有限変位解析 / 円筒鋼製橋脚 / 靭性 / ヒューズ構造 / 繰り返し載荷 / 補強法 / 既設橋脚 |
研究概要 |
既設円筒鋼製橋脚の耐震補強法として、ヒューズ構造を用いた。この構造は橋脚の水平耐荷力の増加を抑え、靭性を向上させることを目的としている。構造形式として、矩形鋼板を橋脚に貼り付け、座屈発生位置にはそれを貼り付けないで座屈部を特定する構造を用いた。 この部分をヒューズ部と呼び、その幅を隙間幅と定義した。研究は実験と解析によって行った。実験は実橋脚の約1/10のモデルとし、直径200mm、板厚2.5mmの供試体を用いた。 平成11年度は貼り付け板厚を橋脚と同じ2.5mmとし、無補強および隙間幅が10mm、20mm、隙間なしの3種類について実験した。平成12年度は貼り付け板厚2.5mmで隙間幅5mmについて、および貼り付け板厚3mmで隙間幅10mm、20mmについて実験した。 一方、汎用構造解析プログラムMARCを用い弾塑性有限変位解析を行い実験結果と比較した。数値解析と実験結果はおおむね一致し、数値解析の妥当性が検証できた。 これとは別に阪神・淡路大震災において局部座屈した実橋脚について、ヒューズ構造を適用した補強法のシミュレーションを行い、靭性向上の効果を確認した。 靭性の評価は首都高速道路公団の基準を適用して行った。このヒューズ構造の隙間幅と板厚を適切に選ぶことにより水平耐荷力の増加を10%程度に抑え、靭性を基準値以上に向上させる構造が提案できた。
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