本研究では、土の締め固め施工管理、地盤改良工事管理において重要なのは、締固め密度等地盤の物理量が個々の点で規格値を満足することではなく、ある体積についての平均値、すなわち移動平均値が、工学的に意味のある規格値を満足することが重要であるという観点に立ち、移動平均確率場により、土工事の施工管理目標の設定方法について考察する。このようなある被平均体積Vについての平均値の作る確率場を移動平均確率場と言う。移動平均過程のあるレベルを超過するいわゆる超過確率についての研究結果より、当該確率過程の分散、自己相関関数と、移動平均をとる地盤の体積を決定すれば、目標値と、平均値の関係を決定することができるので、これにより合理的に管理値を決定できる。今年度は、深層混合処理改良地盤をとりあげ、その移動平均に基づいた品質の評価を行った。すなわちクリギング、ブロッククリギングといった内挿手法を用いて、実測データから改良地盤が、どの程度の品質を移動平均で評価したときに持っているかを検討した。来年度は、施工中のリアルタイムの施工管理のための施工制御方法の提を行う予定である。
|