研究課題/領域番号 |
11650515
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
山田 公夫 中部大学, 工学部, 教授 (20090178)
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研究分担者 |
梅田 美彦 ウメダジオリサーチ, 代表(研究職)
杉井 俊夫 中部大学, 工学部, 助教授 (90196709)
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キーワード | 不飽和土 / 不飽和透水係数 / 水分特性曲線 / サクション / 間隙比 / 非定常法 / シルト / 水分分布近似法 |
研究概要 |
2年目にあたる今年度は、長良川シルトを用いて加圧法(Axis Translation Method)および熱電対露点法により土の保水性について室内実験を繰り返し実施し、これまで計測が行われていなかった供試体体積を試験終了後にパラフィンを用いて計測することを可能にした。別途計測された電気伝導度から浸透ポテンシャルを算定し、得られた化学ポテンシャルから浸透ポテンシャルを差し引くことで加圧法と同じマトリックポテンシャルで水分特性曲線を求めている。飽和度別に間隙比とサクション(pF)の関係を整理したところ、線形関係があること、またあるサクション、間隙比において1点に収斂する結果を得た。この間隙比は収縮限界時の間隙比に、またサクションは水分恒数では初期しおれ点に近い値を示すことから、間隙水と表面水がそれぞれ卓越する境界のサクションと考えられ、それ以上、間隙比の減少が生じないために、1点に収斂することが推察された。間隙比を考慮した水分特性曲線群は、ねじれた曲面を表し、飽和度が低いほどその傾向が著しいことがわかった。この結果を利用したサクション、飽和度、間隙比で表される水分特性曲線群の関数モデルを構築することに成功し、UNSODAのデータベース上に示されているシルトについても同様な結果を得ることができ、信頼性を確認した。 非定常法である水分分布近似法について長良川シルトに対し,空気圧を負荷する制御法で行った結果、体積変化が著しく生じたため、先に提案したモデルから計測中の供試体体積を算出し直すことにより不飽和透水係数を算出することが可能であることがわかった。この結果は、計測中に得られる間隙水圧、排水量の時系列から逆解析法によって得られた結果とも一致することがわかった。さらに、水分分布近似法で段階的に吸引、加圧により浸透量を制御することにより砂においても定常状態を作り出すことで土の保水性(水分特性曲線)をも、不飽和透水係数と同時に計測できることがわかった。
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