研究概要 |
粒状体材料の強度特性は摩擦則に従い,また,粒子間摩擦角,粒子接点角は材料の物理的性質に大きく支配される。そして,砂のような粒状体の力学的特性は,土粒子の材質,粒度組成,粒子形状などの一次性質,あるいは密度,含水量,骨組構造などの二次性質によって決定されると言われている。したがって,これら相互の関係を見抜けなければ粒状体の内部摩擦角はせん断試験を行なうことなく推定できることになる。筆者はこれまでに,粒状体の内部摩擦角に及ぼす粒子形状の影響が極めて大きく,筆者が定量化した粒子形状と内部摩擦角には粒度分布などの他の一次性質によらず,ほぼ比例関係があることを明らかにしている。 本研究では,さらに粒度分布,粒子形状,粒子寸法などの異なる種々の粒状体材料のせん断試験を実施してデータを蓄積し,粒子形状と相対密度のみから内部摩擦角を推定する図表を作成した。さらに,アルミ丸棒を用いた2次元のせん断試験により,粒子間摩擦角,せん断強度,せん断面などのせん断特性に及ぼす粒子形状と粒子表面粗度の影響について検討した。 また,自然に堆積する砂の粒子形状や粒度分布,粒子寸法を分析し,これらの物理的性質が平面的には運搬距離,深度方向には海進・海退などの堆積環境にどのような影響を受けているのかを検討した。
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