研究課題/領域番号 |
11650528
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 修三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40172663)
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研究分担者 |
川崎 浩司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304024)
中辻 啓二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029324)
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キーワード | 陸奥湾 / 残差流 / 水交換 / 津軽海峡 / 急潮 / シミュレーション |
研究概要 |
1.成層期の流況と密度構造の実態を把握するために、8月下旬に陸奥湾湾口部において現地観測を実施した。観測には、ADCPと深度計付き水質計を使用し、流速、水温、塩分、クロロフィルの時空間構造の計測を行った。 2.一潮汐約13時間の横断連続観測によって得られた結果を基に、潮汐残差流の直接抽出と、質量、塩分、クロロフィル等の断面輸送量の算定を行った結果、概ね表層と底流で流出、中層で流入が支配的な3層構造を呈していた。この結果は、湾内潮差および津軽海峡部の海面位分布がほぼ等しかった1996年の観測結果と同様の傾向にあり、成層期の湾口部の流動と水交換は、海峡部(特に太平洋側)の潮位特性に大きく依存していることがわかった。 3.観測が困難な冬季(混合期)の流動構造を明らかにするために、津軽海峡を含む広領域を対象に準三次元バロトロピックモデルによる流動のシミュレーションを実施した。その結果、海峡部の流況は主として太平洋側の潮汐条件の依存し、流速値が大きく変化するにもかかわらず、湾口部では潮汐に起因した流動と残差流はきわめて小さく、水交換にはほとんど寄与しないことがわかった。その一方で、風の効果を考慮した計算を行ったところ、表層部の流動は大きく変化し、東風時に流出、西風時に流入層が現れ、海水交換に風が大きく作用していることが明らかになった。
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