研究課題/領域番号 |
11650528
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 修三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40172663)
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研究分担者 |
川崎 浩司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304024)
中辻 啓二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10029324)
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キーワード | 陸奥湾 / 残差流 / 水交換 / 津軽海峡 / 急潮 / シミュレーション |
研究概要 |
1.日潮不等が大きい8月26〜30日に現地観測を実施し、流動と密度構造の不定性と普遍的構造の解析を行った。その結果、湾口部の残差流系は日潮不等が大きかった1997年の観測結果と類似の構造を呈し、海峡部の潮汐パターンが湾口部の流動を支配していることが明らかとなった。また、津軽海峡前面(湾口北側)において実施した横断観測と定点連続観測の結果には、組織的な渦構造を示唆する流速変動が捉えられていた。 2.三次元バロクリニック流動モデルを用い、津軽海峡を含む陸奥湾周辺海域の流動シミュレーションを行い、観測結果と比較した結果、竜飛岬沖で発生した地形性渦が東方に流下しながら発達し湾口部周辺の流動構造に影響を及ぼしていることがわかった。また、過去の観測で捉えられた湾外から湾内に伝播する内部波も数値計算で再現され、湾口部の水交換と混合に寄与していることがわかった。 3.湾内に設置された自動観測ブイの長期データを基に気象と流動の関係を解析した結果、夏季において湾央で観測された東西風速と湾口部の南北流速に約11時間の位相差を有する高い相関が認められ、湾口部上層における東風時の流出現象は湾内水のセットアップによることが示唆された。また、低気圧通過時に高密度の水塊が湾内に流入し、低気圧通過後に低密度の湾内水が流出しているようすも捉えられ、気象擾乱が水交換に大きく作用していることが明らかとなった。
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