研究課題/領域番号 |
11650528
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西田 修三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40172663)
|
研究分担者 |
川崎 浩司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304024)
中辻 啓二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10029324)
|
キーワード | 陸奥湾 / 気象擾乱 / 水交換 / 津軽海峡 / 急潮 / 3次元流動シミュレーション / 粒子追跡シミュレーション / 残差流 |
研究概要 |
本研究は、陸奥湾湾口部における流動構造の時空間的な不定性の原因を明らかにするために、気象海象の変動に着目した調査・解析を行うとともに、生物環境に大きな影響を及ぼす突発的な流況変化と水交換機構の解明を目的としている。研究最終年度にあたる本年度は、以下に示す成果が得られた。 流況の再現計算において、適切な初期・境界条件を与えるために、湾内の水温・塩分の空間構造の実態把握に向けた現地観測を9/5〜9/9に実施した。観測には、ADCPと深度付き水質計を使用し、湾内の北側海域を中心に鉛直構造の計測と解析を行った。また、東風連吹時に東岸から南岸に至る湾岸において地形に依存する風速・風向特性を捉え、風況シミュレーションの検証に用いた。 気圧の時空間変動より傾度風MASCONモデルにより風況の再現計算を行い、実測データとの検証を行った後、三次元バロクリニック流動モデルに組み込み、低気圧通過時の流動解析を行った。 その結果、湾口部で観測された密度の急変現象は、低気圧通過に伴う風によって引き起こされたことがわかった。また、得られた流速場のデータを基に、粒子追跡シミュレーションを行った結果、低気圧通過時には水交換が促進され、特に東湾の水交換が活発になされることも明らかとなった。さらに、成層構造が異なる夏季と冬季の再現計算を行った結果、冬季の東風は湾全域で水交換を促進するが、冬季の西風は東湾の水交換に対してはむしろ抑制効果が現れることが明らかになった。 以上、本年度の研究によって得られた知見は、学会で発表するとともに、最終年度として報告書にまとめた。
|