研究概要 |
1.衛星データ等による植生分布調査とGISデータベース化 中野と北野は,衛生データ(LANDSAT,JERS)を用いて吉野川下流部河道内の植生活動特性の抽出方法について検討した.また衛星画像解析ソフトを用いて吉野川周辺の数値地図情報と衛生データを統合的に扱うためのデータベースの一部を作成した.鎌田は,航測写真と現地踏査の併用により,那賀川の河口から約40kmの区間について河道内樹木群落分布の30×30mメッシュデータベースを作成した. 2.流れ及び河床変動計算手法の高度化 中野は,干潮区間を対象に,有限要素法による2次元河床変動計算法と準3次元流動シミュレーションモデルの開発を行った.また,岡部は,交互砂州区間や浸食流路区間など,水際線の変動が激しい流れに対する2次元浅水流数値解析モデルを構築し,試行計算を実行して,有用性を検証した. 3.樹木帯を通過する流れと流砂量の特性把握と計算法の開発 岡部と湯城は,樹木状植生モデルを用いた水理実験を行って,流れの乱流構造を極めて詳細に計測し、レイノルズ応力,dispersive fluxなどの3次元分布や縦渦構造を把握した.また,k-ε乱流計算法についても検討し,樹冠による運動量交換の抑制効果を考慮した,高精度の計算モデルを構築した. 4.植物群落の分布特性に及ぼす河状履歴の影響の把握とそのモデル化 鎌田は,吉野川の交互砂州区間の連続した3砂州について得られた3年おきの植生図の比較から,各砂州に共通あるいは固有の植物遷移系列を整理した.また,岡部は,1つの砂州に着目し,PHABSIMの選好度曲線の概念を参照しつつ,河状履歴を説明変数とする植生メッシュ図再現モデルを作成した.
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