研究分担者 |
北野 利一 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00284307)
鎌田 磨人 徳島大学, 工学部, 助教授 (40304547)
中野 晋 徳島大学, 工学部, 助教授 (50198157)
竹林 洋史 徳島大学, 工学部, 助手 (70325249)
湯城 豊勝 阿南工業高等専門学校, 助教授 (50158333)
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研究概要 |
1.河道管理資料のデータベース化と分析 岡部は,吉野川直轄区間内の全横断測量資料を整理し,1断面当たり101点の固定標定点における河床位データを統一基準で作成した.また,これを用いて過去約35年間の河床変動特性を分析した. 2.流れ及び河床変動計算手法の高度化 中野と北野は,1966〜1999年の30年余りの河川横断測量データを基に経験的固有関数法を用いて吉野川下流域の地形変動解析を行った.河口から第十堰(河口から14km)までを3区間に分け,区間別に経年変化特性を調べた結果,1990年頃から河口部では砂州が侵食,澪筋が堆積する平坦化が進行し,10〜14km区間では全体的な堆積が生じていることがわかった.またこうした河床変動を再現するための2次元河床変動プログラムの整備を行い,1990年の洪水を対象にして検証計算を実施した.さらに,中野は,干潮区間を対象に,有限要素法による2次元河床変動計算法と準3次元流動シミュレーションモデルの開発を行った.また,岡部は,交互砂州区間や浸食流路区間など,水際線の変動が激しい流れに対する2次元浅水流数値解析モデルを構築し,試行計算を実行して,有用性を検証した. 3.樹林帯における浮遊砂濃度分布特性の把握と計算法の開発 岡部と湯城は,樹木状植生モデルを用いた浮遊砂実験を行って,濃度分布特性の資料を集積した.さらに,k-ε乱流計算から求められる拡散係数を用いて樹林帯の濃度分布の再現を試みた. 4.植物群落の分布特性に及ぼす河状履歴の影響の把握とそのモデル化 鎌田は,吉野川の3個の交互砂州について得られた植生図から,植物群落の遷移系列を整理した.また,岡部は,1つの砂州に着目し,PHABSIMの選好度曲線ならびにニューラルネットワークを利用した植生図の再現モデルを作成した.両モデルとも,l0mのメッシュスケールによる植生図を70%以上の確度で再現した.さらに,竹林は,理論解析と数値解析を併用して,交互砂州の伝播速度を考察し,伝播速度が波高よりも波長に依存することを明らかにした.
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