研究概要 |
活動ベースの交通行動ミクロシミュレーション・モデルの開発を目的として、ツアーコンセプトに基づいて選択過程をモデル化し、再現性の高いといわれるニューラルネットワーク・モデルを用いて推定を行った。11年度の新津市データを使用したモデル開発については、引き続き選択構造の違いを検討した。12年度に新たに使用したデータは、建設省長岡国道工事事務所が平成11年11月に実施した長岡都市圏交通実態調査(パーソントリップ調査)の平日1日のデータである(サンプル数、5,506世帯、14,980人)。交通行動の選択過程は、主な活動目的ごとに、目的地、活動開始時刻、交通手段、活動時間長、2次ツアー及び中間ストップといった要素を逐次的に選択すると仮定し、一部フィードバックを導入している。主な活動は、有職者について通勤、業務、自由活動、ツアーなし、無職者について自由活動、ツアーなし、及び学習の7つとする。個別サブモデルの的中率は、通勤では平均74%(45-87%)、その他目的では通学を除いて70%以上であった。個人ベースのミクロシミュレーションを行った結果、通勤で19%、全体で14%の的中率しか得られなかったが、集計ベースでみれば地域の交通需要をおおよそ再現することができたと考える。 次に、既に開発した自動車・バス走行シミュレーション・モデルの改良を実施した。改良点は、(1)経路選択行動、(2)追い越し・追い抜き行動、(3)バス停での停止行動、(4)バス優先信号、(5)データ入力の省力化である。また、オブジェクト指向言語で、大規模なシステム開発に適したJAVA言語に移植を行った。長岡市においてバス・HOV専用レーン、バス専用信号が設置されている長生橋西詰めの国道351号線を含む地域に、この新しいシステムを導入し、現状再現性を確認した。
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