明かり区間を高速で走行する列車周りの圧力場をポテンシャル流れモデルにより数値解析を行い、圧力場が変化することにより発生する低周波音について、シミュレーションを行いった。このシミュレーションにより発生する低周波音の距離減衰特性、列車速度と音圧の関係、周波数特性、列車形状の影響等について明らかとした。 またこのシミュレーションにおいてポテンシャル流れモデルに現れる不静定項の取り扱いについて、風洞実験モデルと実走行モデルにおける矛盾がないことを確認した。 研究室に於いて実車両1両の1/100模型列車による模型実験を行い、明かり区間で発生する低周波音の各特性がシミュレーションの結果と一致することを確認した。また新幹線・リニア実験線等で問題となっているトンネル入り口周辺での低周波音発生について、トンネル模型入り口周辺に格子状測定点を設け各点で発生低周波音を測定することにより、トンネル入り口周辺での圧力場の変化の様子と低周波音伝播の様子について空間的・時間的に観察すると共に、圧力場の変化過程・発生低周波音のレベルとトンネル直径との関係について実験的に明らかにした。この測定により、列車周りの圧力場からトンネル入り口により圧力弾性波として伝播する低周波音について解析を行った。 さらにこれらのシミュレーション結果、模型実験結果を確認するために、山梨リニア実験線の緩衝工入り口付近で、リニア走行時に発生する低周波音の測定を行った。
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