研究課題/領域番号 |
11650546
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 良夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (70010783)
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研究分担者 |
山田 圭二郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (00303850)
川崎 雅史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20195077)
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キーワード | 景観 / 敷地計画 / 土地造成 / 微地形 / イメージ分析 / イメージ構造 |
研究概要 |
今年度の研究では、京都盆地の山裾に立地する寺院を対象に、1/2,500縮尺程度の地形図を用いて特徴的な微地形環境を収集し、現地踏査、測量、写真撮影、3次元地形解析モデルツールを用いたCGの作成等により、山裾型敷地の占地特性を把握した。それにより以下の結論を得た;1)山裾型敷地の占地は、山の領域と里(野)の領域の境界に位置する。地形学的には、段丘面(上位、中位、下位、低位)、扇状地(急傾斜、緩傾斜)、崖錐、山地斜面(谷型、尾根型)に分けられ、特に段丘面及び急傾斜扇状地に多い。これらの地形の地形特性を勾配に関して調査し、その特性を把握した。2)占地に深く関わる参道に関して地形と参道形成との関係から分析し、把握した。参道は、原地形を利用しつつ、参道を進むにつれて山の奥深さを演出する役割を果たす。3)山裾型敷地の景観は、敷地内の景観にとどまらず敷地外の景観が深く関わっており、これを敷地の「領域形成」として分析し、7類型を示した。領域形成には、敷地を取り巻く地形や敷地内部の微地形、人工的な土地造成等、敷地内部および敷地に接する地形に関わるものと、敷地外部の地形に関わるものがあり、前者は山裾寺院敷地の景観は山の奥深さを印象づけ、後者は山と野とを景観的に結びつけるとともに、視覚的に視線を山の奥へと導き意識付ける役割を果たす(眺望性と閉鎖性)。4)敷地内部の構成は、大きく「平場」と「斜面」とに分けられ、擁壁、法面、階段等の敷地構成要素は、これらを強調する役割を果たす。5)山裾型敷地を占地に関わる地形、敷地、庭園の3つの異なるスケールで分析し、これらに共通する山裾型敷地の景観的特性が、「「山」と「里(野)」の両義性」にあることを示した。5)自由連想法によるアンケートと地誌メディアの分析から、景観認識における意識連関・生成パターンを抽出し、景観認識構造のHypertext性を示した。
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