研究課題/領域番号 |
11650551
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
塚本 直幸 大阪産業大学, 工学部, 教授 (20247878)
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研究分担者 |
大島 秀樹 大阪産業大学, 工学部, 助手 (30268271)
松浦 譲 大阪産業大学, 工学部, 教授 (10066938)
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キーワード | ITS / AHS / 交通流シミュレーション / 道路交通流動 / 車両走行実験 / 車両拳動 / 追縦理論 |
研究概要 |
本研究は、「自動運転システム」(以下では、AHS:Automated Highway Systemと略記)が実現された場合、道路交通流動全体にどのような影響を与えるかについて、ミクロ・シミュレーションモデルにより分析するものである。本年度は、昨年度に引き続いて車両走行実験により必要データを収集し、シミュレーションパラメータを得て構築されたモデルの検証と、そのモデルを用いたシミュレーションを行った。 本年度の車両走行実験では、交通状況(渋滞、非渋滞)、道路状況(車線数、高速道・一般道)、走行時間帯(昼間、夜間)、運転手属性(年齢、性別、運転経験年数)に分けて、車両挙動の差異が見られるかどうかについてデータを得た。得られた結果の主なものの概要を以下に示す。 1)前車の挙動に対する追従車の反応遅れは、渋滞時と非渋滞時とで異なる。非渋滞時では、平均約2.1秒程度の遅れであるが、渋滞時にはそれよりも約0.6秒程度反応遅れが大きくなる。 2)高速道路における反応遅れは平均3.4秒であり、一般道の2.1秒よりも1.3秒長い。 3)車線数、走行時間帯については、反応遅れに顕著な差異は認められない。運転手属性については、データ数が少なく統計的に有意な結果は得られなかった。 次に、走行実験から得られたデータを用いて、追従理論をベースとした交通流動シミュレーションモデルを構築し、再現性の良い追従式のモデルパラメータの存在域を示し、また、再現性に対する刺激反応強度の感度は敏感であることを示した。 構築されたモデルを用いて、AHS装着車両の全交通量に占める割合を0%から100%までのl0段階のシミュレーションケースを設定し、先頭車両の微小な速度変化に追随する後続車両の挙動分析、一定区間における道路交通容量の変化について分析した。その結果、AHS装着車両の割合が50%を越えたところで、交通流動全体に対してかなり大きなインパクトを与えることをシミュレーション的に明らかにした。
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