研究課題/領域番号 |
11650563
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
薦田 廣章 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助手 (20162068)
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研究分担者 |
古本 勝弘 長崎大学, 工学部, 教授 (50037892)
武政 剛弘 長崎大学, 環境科学部, 教授 (70039684)
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キーワード | 局地風 / 風環境 / 温度場 / 現地観測 / 数値計算 |
研究概要 |
都市の風と熱環境との間には密接な関係がある。海岸地方でよく観察される海陸風を例にあげると、昼間は日射や人工排熱により陸地が暖められ、海面との間に温度差が生じ、海風が出現する。気温が高くなると風は強くなるが、一方、風は、熱を周囲に拡散するなど暑熱緩和効果があるために、気温は相対的に減少する。このような都市の局地風と熱環境の相互影響を評価することは、単に科学的に興味があるだけではなく、都市の住環境における局地気象や微気象の有効利用の観点からも重要である。これらの相互影響評価を解明するためには、まず、複雑な地形上で風と気温との観察を継続することが必要である。次に、数学モデルを構築し、数値計算を行う必要がある。 平成11年および12年の夏から秋にかけて久住山麓中腹に位置する九大農学部附属久住高原農場の傾斜面で気象観測を行い、標高と風速との関係および斜面における運動量フラックスや熱フラックスについての解析を行い、斜面における風や温度の構造を解明した。そして、以下のような結果が得られた。 1) 標高の増加に伴う斜面上の地表風の増加割合は、斜面を上昇・下降する風よりも等高線に沿って斜面を横切る風の場合が大きい。 2) 斜面を上昇・下降する風の摩擦速度は、風速が比較的強い場合は、平均して斜面を横切る風の値よりも大きくなる。 これらの観測結果については、農業気象(J.Agric.Meteorol.)などで発表した。 複雑地形上の風・温度場に関する数値計算を同時に行い、風の平面ベクトルや等温線図を作成した。これらは、国際シンポジウムなどで発表した。
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