研究課題/領域番号 |
11650564
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田中 和博 日本大学, 理工学部, 教授 (50246815)
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研究分担者 |
松島 眸 日本大学, 理工学部, 助教授 (10102427)
高橋 迪夫 日本大学, 工学部, 教授 (50060059)
中村 玄正 日本大学, 工学部, 教授 (20060147)
齋藤 利晃 日本大学, 理工学部, 講師 (50277381)
長林 久夫 日本大学, 工学部, 教授 (70102431)
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キーワード | 非点源汚濁負荷 / 降雨流出負荷 / 輸送機構 / 出水時 / 大気降下物 / 路面堆積物 / 栄養塩 / 重金属 |
研究概要 |
降雨流出水は様々な汚濁物質を含有しており、受け皿となる公共用水域の水質悪化が懸念されている。近年、非点源汚濁負荷(NPS)の定量化や流出メカニズムの解明、定式化による制御モデルの構築などが盛んに行われている。しかし、NPSは地域特性に大きく依存するため、系統的な検討がなされていない。そこで本研究は、日本大学の3キャンパスが位置する千代田区、船橋市、郡山市を調査対象とし、土地利用形態などの相違からそれぞれの地域に特徴的な課題についてNPS負荷の流出特性を検討した。 商業都市である千代田区と住宅都市である船橋市では、主要負荷流出源である道路上に存在する汚濁物質の降雨流出過程を、堆積過程と流出過程の二つに分けて検討した。飽和型曲線を仮定した堆積モデルにより降雨直前の堆積物量を算出し、水質項目毎に流出機構が異なること、および、汎用的に利用されているSartorらの式では、流出負荷量を過剰に見積もる可能性があることなどを明らかにした。 自然と調和した地方都市として位置づけられる郡山地域特有の問題として、出水時における阿武隈川や三春ダムへの汚濁物質の流出メカニズムについて研究を行った。出水時の連続観測により、流送汚濁負荷の時空間特性の把握と地形・土地利用形態等の諸因子との相関、および、ダム流域における系統的な汚濁負荷の輸送・堆積過程および負荷収支に関する有意な知見を得た。阿武隈川における出水時の浮遊土砂と栄養塩の計測をもとに、浮遊土砂と栄養塩の相関関係を用いたモデルや基礎式による概算的な計算を試み、出水時における輸送現象特性を表現した。今後は、河道内堆積物の輸送,沈降,巻き上げの諸過程のモデル化と、粒子に吸着する粒子態と溶存態の栄養塩についての検討を進めることが必要である。
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