研究課題/領域番号 |
11650565
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
長岡 裕 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (90207986)
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研究分担者 |
田中 厚至 武蔵工業大学, 工学部, 助手 (30308027)
綾 日出教 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60010675)
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キーワード | 膜分離活性汚泥法 / 菌体外ポリマー / 膜目詰まり / 間欠ばっ気 / ゲル クロマトグラフィー |
研究概要 |
膜分離活性汚泥法において膜透水性能の低下の原因として、菌体外高分子ポリマー(EPS)に着目し、異なる有機負荷量が、膜ろ過抵抗性能に与える影響似ついて検討した 有効容積30Lの反応槽に両端集水型のMF平膜を浸漬させた。エアー量は各槽40L/minに設定し、槽内の液温を20℃に保った。膜透過流束は、0.15m/dayとした。基質は、酢酸を炭素源、塩化アンモニウムを窒素源、重曹をアルカリ源とし、TOC容積負荷は、0.3g/L/dayと1.5g/L/dayに設定した基質は連続的に投与した。高負荷槽において実験24日目と55日目において、膜目詰まりにより設定膜透過流束を維持する事が困難となり、基質の残留濃度が上昇したため実験14日目から24日目まで、および55日目以降は、基質の供給を停止した。 低負荷槽のろ過抵抗は一定であるのに対して、高負荷槽は、実験14日目から急激にろ過抵抗が上昇した。高負荷槽では、基質供給と共にMLSSが急激に上昇したのに対し、低負荷槽ではやや不安定であるが8000mg/L前後で安定した。混合液粘度は、高負荷槽では、基質供給と共に粘度が上昇したが、MLSSの値が高負荷槽と低負荷槽で同じ値を示した時、高負荷槽は高い粘度の値を示し、低負荷槽は低い値のままだった。高負荷槽のEPS濃度は、基質の供給と共に急上昇し直後、減少している。これは、生成されたEPSが吸引された際、膜面に付着したためと考えられる。低負荷槽のEPS濃度は一定で、吸引を停止した際に急激に上昇し吸引再開と共に低下しているので膜面への付着または、反応槽外に吸引されたと考えられた。 以上よりEPSがろ過抵抗に影響を与えている事が判った。同じMLSS濃度でも高負荷槽のろ過抵抗のみが上昇したことにより、基質負荷の違いによりEPSの質に違いが出ていることがわかった。
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