研究概要 |
単一槽間欠曝気式膜分離活性汚泥法において、曝気・攪拌サイクルを30分120分、120分30分、48分12分、192分48分、10分10分、120分120分の条件で窒素除去、膜目詰まりに与える影響について実験を行った. 曝気・攪拌サイクル30分120分、120分30分においては、膜目詰まりとEPSとの関係は分からなかった.曝気時間・攪拌時間の割合は一定でサイクルの長短を変えた条件では違いは見られず、曝気と攪拌の割合が異なる時に膜目詰まりに影響を与える事がわかった。 曝気・攪拌サイクル10分10分、120分120分の両条件において、膜目詰まりにより膜面に堆積している汚泥の大部分は、1.0×10^5Da付近の分子量であることが分かった.運転サイクルの違いによる膜目詰まりに影響する分子量に違いは見られなかったが、曝気・攪拌サイクル10分10分よりも曝気・攪拌サイクル120分120分の方が膜目詰まりに影響を及ぼす1.0×10^5Da付近の分子量の増加速度が大きかった。また、曝気・攪拌サイクル10分10分において、膜目詰まりが生じた時のEPSの大部分は2.0×10^6Da付近の分子量のものであることが分かった.曝気・攪拌サイクル120分120分において、膜目詰まりが生じた時のEPSの大部分は1.0×10^5Da付近の分子量のものであることがわかった. 間欠曝気・間欠吸引運転における膜目詰まりには浮遊性EPSの一部分が関与しているとしてモデルを作成し,間欠吸引運転における吸引差圧および膜ろ過抵抗の指数的に増加していく変化を示すことができた。しかしながら浮遊性EPSにおいてどのような部分が膜目詰まりに関係してくるのか不明であり,今後は浮遊性EPS濃度と膜付着EPS濃度の関係を考慮に入れたモデルを組み込んでいく必要があることが示唆された。
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