研究課題/領域番号 |
11650569
|
研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
吉川 眞 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80116128)
|
研究分担者 |
岩崎 義一 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (60309169)
綾 史郎 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00026361)
|
キーワード | 統合化空間情報システム / 流域環境 / 歴史的変遷 / GIS / CAD / CG / 幾何補正 |
研究概要 |
本研究機関である大阪工業大学が立地する淀川下流域を対象として、淀川とその沿川の自然環境と、同流域に展開されているわが国の代表的都市圏である大阪圏の都市活動を中心とした社会的環境の歴史的変遷について、地理情報システム(GIS)とCAD/CGシステムからなる統合化空間情報システムを用いた総合的な研究活動により明らかにし、あわせて将来の流域環境像を探ろうとするものである。具体的には、大阪(圏)が形成される江戸期から現代までを対象として、統合化空間情報システムを用いて大阪市街地などの代表的ポイントの都市景観、橋梁景観、ならびに淀川河道の変遷を再現するとともに、淀川が流域の産業活動に与えた影響とその要因についても明らかにする。 研究計画の第2年度として吉川は、大阪の橋梁景観に着目し、中之島とその周辺に江戸期より存在する天満橋、天神橋、難波橋、高麗橋、大江橋、淀屋橋の6橋を取り上げ、現状の橋梁モデルを作成するとともに、江戸期の木橋から現代橋に至る間に鉄橋時代の存在した4橋については、鉄橋のモデリングも行った。また、これらのモデルを現代図上に定位するため、明治時代と大正時代の地形図を幾何補正し現代図に重ね合わせた。さらに、沿川に今も江戸期の風情が残る枚方宿(東海道57次56番)も対象ポイントに追加し、まずは現況の都市景観の再現を試みている。一方、綾は、明治初期のオランダ人技師デレーケらによる平面測量図と、その後取りまとまられた縦断図などを用いて約120年前の淀川の再現などを行っている。さらにこれらのデータを用いて水理計算を行うことにより、江戸末期から明治30年頃までの淀川の低水時と洪水時の水環境を再現した。また岩崎は、明治期以降の淀川周辺地区の工業発達の特徴と舟運との関係に関する実態分析を、船着場の存在に着目して進めている。
|