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2000 年度 実績報告書

二方向水平力を受ける鉄筋コンクリート連層耐震壁のせん断降伏強度

研究課題

研究課題/領域番号 11650571
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

溝口 光男  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80166040)

キーワード鉄筋コンクリート / 耐震壁 / せん断強度 / 引張軸力 / 偏心 / 実験 / 伸び / 繰り返し加力
研究概要

1.実験概要 水平力に対して圧縮側となる側柱に引張力を受ける耐震壁のせん断終局強度性状を明らかにすることを目的として,実物の約1/4大の鉄筋コンクリート耐震壁模型を製作し,水平力に対して圧縮側となる側柱に引張力を作用させた水平加力実験を行った。供試体は,壁長さ,壁補強筋比,側柱補強筋比および引張力の加力方法を変化させた6体とし,今年度は水平加力を変位漸増繰り返しとした。実験で計測した水平荷重,水平変形,引張力,各鉄筋のひずみ度などから,せん断強度に関する検討を行った。
2.成果の要約 (1)壁のひび割れ状況は,繰り返し加力によって柱脚部で大きな伸びを経験した柱が圧縮側となってせん断破壊した試験体では,せん断破壊時に開口するひび割れの角度が緩やかとなった。(2)偏心引張力を受ける試験体では,偏心引張力によって壁頂部の回転が拘束され,水平変形に占めるせん断変形成分の割合が大きくなった。(3)変位漸増繰り返し加力によって圧縮側側柱脚部の伸びは大きくなり,偏心引張力のためせん断破壊時の圧縮側側柱脚部の伸びが反対方向加力で生じた大きな伸びとほぼ同一となった。(4)せん断破壊時の圧縮側側柱脚部の水平変位は,壁長さ,壁補強筋比,側柱補強筋比および引張力の加力方法にかかわらずほぼ一定となった。(5)引張力を受ける耐震壁のせん断耐力は引張力によって低下し,圧縮側側柱脚部の伸びが小さければ既往の軸応力度を考慮したせん断強度計算式による値との対応がよい。しかし,圧縮側側柱脚部の伸びが大きな試験体では既往のせん断強度計算式の値を大幅に下回っており,せん断耐力は圧縮側側柱脚部の伸びが大きくなると低下すると考えられる。(6)圧縮側側柱脚部の伸びとせん断強度との関係については実験資料が少なく,今年度は明らかにできなかった。この点について今後更に検討を進めたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 溝口光男: "偏心引張力を受ける鉄筋コンクリート耐震壁のせん断破壊実験"コンクリート工学年次論文集. 22・3. 433-438 (2000)

  • [文献書誌] 溝口光男: "偏心引張力を受ける鉄筋コンクリート耐震壁のせん断破壊性状"日本建築学会北海道支部研究報告集. No.73. 49-52 (2000)

  • [文献書誌] 口地英樹: "偏心引張力を受ける鉄筋コンクリート耐震壁のせん断性状に関する実験的研究(その1.実験概要および破壊状況)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 695-696 (2000)

  • [文献書誌] 溝口光男: "偏心引張力を受ける鉄筋コンクリート耐震壁のせん断性状に関する実験的研究(その2.荷重変形関係およびせん断耐力)"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2. 697-698 (200)

  • [文献書誌] Mitsuo MIZOGUCHI: "SHEAR BEHAVIOR OF REINFORCED CONCRETE SHEAR WALLS UNDER TENSILE AXIAL FORCE WITH ECCENTRICITY"Transactions of the Japan concrete institute. Vol.22. 369-376 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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