研究課題/領域番号 |
11650573
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
源栄 正人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281708)
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研究分担者 |
星 道夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90005504)
柴田 明徳 東北文化学園大学, 科学技術学部, 教授 (30005251)
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キーワード | インパクター / 振動試験 / スタッキング / 振動特性 / 水平振動 / 上下振動 |
研究概要 |
本研究は、再現性のある衝撃的な波動を発生させる装置として、地盤の反射法探査のための加振源として用いられているエアガンタイプのインパクターを用いた構造物の振動試験を行う。これにより、衝撃的な波動に対する構造物の応答特性を実験的に検討するものである。 昨年度までの研究で、構造物-地盤系の振動試験を行う際の加振源としてインパクターが有効であることを示した。すなわち、インパクター自体の性能として発生させる波が0〜40Hzといった比較的広い帯域のパルス波を発生させることが可能な事、発生する波動は高い再現性を有していること、および、インパルス応答としての構造物-地盤系の動的特性や高次モードを検討することも可能なことを示した。 本年度はこれまで実施してきた東北大学工学研究科の建設系研究棟のインパクター加振試験のまとめを行い、日本建築学会の技術報告集、および米国の「衝撃と振動シンポジウム」でも成果を発表した。また、起振機を用いた同建物の振動実験を実施し、衝撃的波動による応答特性と定常加振による応答特性の比較検討を行った。その結果、インパクター振動試験の結果は起振機振動試験による共振曲線や位相曲線と比較的良い対応を示すことが分かった。さらに、これらの試験結果のシミュレーション解析を行い、対象構造物の損傷度評価を行った。その際、対象建屋の竣工当時における振動特性を適切に表現できる骨組み解析モデルを用いることにより、部材を領域で区別することで損傷度評価を行えることを示した。なお、対象建屋は現在、耐震補強中であり、改修後の振動試験を実施し、補強効果の確認を行う予定である。 構造物の振動特性を検討するにあたって振動試験は重要な役割を担って行くものであるが、本研究により、インパクターを用いた振動試験は可搬性に富み、比較的簡易に実施できる点などから非常に有用であることが分かった。
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