(1)初期養生条件がモルタルの疲労破壊に及ぼす影響 養生条件が疲労に及ぼす影響を調べるために、水中1日、封緘7日、水中28日、水中3ヶ月養生のモルタル試験体について、疲労試験を行った。その結果不十分な養生の場合には耐疲労性が著しく低下することが明らかになった。 (2)繰り返しによる疲労の評価 試験体を破壊までには至らさせず、疲労だけさせることだけを目的とした繰り返し試験を行った。ついで疲労を評価するためにゴンペルツ式を基とした疲労度評価式を提案した。これにより高応力から低応力までの広範囲での疲労の定量的評価を可能とした。 (3)疲労の進行過程 AE法により疲労の進行過程を調べた。その結果、破壊までの過程は3段階の過程を踏むこと、すなわち1回目の載荷による損傷過程、疲労が僅かずつ蓄積される過程、急激に疲労の進行する過程の存在が明らかになった。 (4)疲労を受けた試験体の耐久性 疲労を受けた試験体の耐久性を中性化速度を尺度として調べた。その結果疲労度の進行とともに中性化速度が上昇すること、その場合も養生の影響が大きく、不十分な試験体では中性化しやすいことが明らかになった。またそれらは毛細管領域の空隙の増加によると推定された。
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