研究概要 |
1.産業廃棄物としてのフライアッシュの利用に関する実験結果 1)フライアッシユ混入ペーストの凝結特性:フライアッシュ混合比3水準:0,20,40%、養生温度3水準:5,20,30゜Cの試験条件下でフライアッシュ混入量の増加に伴い始発時間と終結時間共20-80min遅延し、温度条件によっても凝結時間に大きな差が生じ20゜Cを基準に5゜Cでは始発で約180min、終結で400min遅延し、30゜Cの場合は始発で約80min、終結で140min短縮する。以上フライアッシュ混入量や養生時間により凝結性状が変化する貴重な特性が把握できたのでコンクリートへの適用を考える上で有用である。 2)フライアッシュ混入モルタルとコンクリートの自己収縮特性:配合条件9水準について試験を行った。結果、単位セメント量が大なるにつれて自己収縮量は増大する。フライアッシュ混入量の増加に伴い収縮量を30%〜50%も低減できることが分かった。なお、計測には埋め込みゲージKM-100Bの使用がが凝結時から硬化後までの長時間にわたり安定した計測ができる。 2.各種産業廃棄物のモルタルへの利用に関する実験結果 1)骨材試験:廃材種別は(1)コンクリートパイル廃材(2)タイル廃材、(3)瓦廃材、(4)溶融スラグ廃材、(5)研磨汚泥廃材の5種類とした。骨材試験の結果はコンクリートパイル廃材、タイル廃材、瓦廃の3種類は原材料の破砕した後のふるい分けなど骨材精製過程に於いて大変手間がかかり、骨材精製法の検討が必要と思われる。溶融スラグ廃材は1500゜Cの高温処理されたものであり安定している。研磨汚泥廃材は骨材として精製する過程において臭気、発熱があり考慮が必要。 2)流動性試験:W/C3水準、S/C3水準のモルタルについてフロー試験を行った。フロー値はW/Cが大なるにつれ、骨材粒径が大なるにつれ大となるが木曽川骨材に比べ溶融スラグ骨材はほぼ等しくなった。コンクリートパイル廃材、タイル廃材、瓦廃の3種類は原材料の破砕による微粉体のためフロー値は低下した。強度試験の結果は川砂モルタルに比べW/C=40%の場合はほぼ等しい値を示したがW/C=50,55%では20%〜35%の減少が見られた。
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