産業廃棄物のコンクリートへの適用は多種多様であるが、本研究では東海地域の特性を生かした、フライアッシュ、生コンクリートスラッジ、タイル、瓦、コンクリート構造物のコンクリート廃材や開削汚泥などの廃棄物を研究の対象としたコンクリートへの利用上の問題点を解明する基礎的研究として、そのコンクリートの(1)ワーカビリティ(2)コンシステンシー条件の解明と硬化後の特性(3)コンクリートの強度・ヤング係数(4)鉄筋の付着形状(5)乾燥収縮(6)耐久性としての中性化(7)鉄筋の腐食特性などについて基礎情報を得ようとした。具体的には、(1)フライアッシュの混入モルタルやコンクリートの電気抵抗特性による凝結時間と、水和反応と自己収縮反応開始との対応把握試験、簡易自己収縮測定試験法の実験的検討を行った。その結果、煉瓦、タイル、瓦、コンクリート廃材の混入率によっては、コンクリートの耐久性上、強度の極端な低下を招く境界が存在した。この比率は、ワーカビリティ、コンシステンシー条件により変化するが、その品質を維持するために再生骨材の品質向上がどうすれば図れるのかについて検討を行なってきた。試験体による強度試験によってさまざまなケースでのデータの蓄積ができた。今後はこのデータを分析し、最良のコンクリート廃材の利用について検討したい。
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