研究概要 |
1.フライアッシュの有効利用に関する成果 セメントの凝結時間はフライアッシュ混入により遅延する傾向にありその値は養生温度と混入量によって異なるがおおむね5%〜10%程度遅延する。また、フライアッシュ混入により自己収縮量を30%〜45%程度も低減できることを示した。 2.コンクリート廃棄物の有効利用に関する成果 <再生骨材の品質>:建築構造物のコンクリート廃材を再利用するための骨材破砕法によって再生骨材の品質(比重,吸水率等)に相違を生じる。原コンクリートの強度が高い程再生骨材の破砕強度も高くなる。 <再生コンクリートの品質改善>:再生骨材の品質を改善する[加熱すりもみ法]は消費エネルギー,と経費がかかる。再生加工処理の低品質骨材を用いて、比較的品質の高い再生コンクリートを製造するためにはフレッシュコンクリートの真空脱気処理法、アクリル系ポリマーによる骨材表面のコーティング処理法が効果が認められた。 3.各種産業廃棄物の有効利用に関する成果 <瓦廃材の利用>:気泡モルタルへの利用は衝撃抵抗値と熱伝導特性の改善に寄与し有効性が認められた。また、衝撃抵抗評価には「油粘土」の衝撃前後のへこみ量を測定する「相対粘土径法」が有意である。 <熔解ダストの利用>:熔解ダスト粉体を混入したコンクリートは凝結遅延作用による初期強度の発現が遅れる傾向にあるものの、混入量(5%)で20%程度の強度改善効果が期待できる。 <掘削汚泥の利用>汚泥焼成骨材は吸水率が高く(20%)、骨材破砕値も約(53%)と高いので普通コンクリートには使用できない。しかし気泡軽量モルタルに用いることにより断熱性に富んだ内装材として強度改善次第で期待できる。
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