震源特性を考慮して作成した強震動を受ける大阪平野の木造建物の地震被害予測

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11650601
• 研究機関: 関西大学
• 研究代表者: 鈴木 三四郎 関西大学, 工学部, 助教授 (40067749)
• 研究分担者: 井上 隆二 日本建築総合試験所, 構造部, 室長・主任研究員 ; 松田 敏 関西大学, 工学部, 助手 (60278603) ; 浅野 幸一郎 関西大学, 工学部, 教授 (80067644)
• キーワード: 震源パラメータ / 強震動シミュレーション / 地盤震動特性 / アイソクロン / 断層モデル / 復元力モデル / 壁の耐震性 / 木造建物の被害

研究概要

平成11年度は、本研究課題に関連して以下の研究を実施した。
震源特性を考慮した強震動の作成に関して
(1)大阪平野の岩盤上で観測された時刻歴波形記録を出来る限り多く収集し、これらの各種スペクトルを求め、震源パラメータについて検討した。
(2)岩盤上および堆積地盤上の時刻歴波形記録と、(1)で検討したデータに基づき、伝播経路と対応する周辺の地盤震動特性評価のための予備的検討を実施した。
(3)震源近傍の地震動評価として、断層の運動力学的モデルの検討と断層面上でのアイソクロンによる評価法と確率論を導入した評価法に基づく波形の生成過程について検討した。
(4)上町断層、生駒断層および有馬高槻構造線等の大阪平野内に存在する活断層に基づき、強震動波形の作成を試みた。
強震動による木造建物の地震被害予測に関して
(5)作成した強震動波形が建物に対する地震動入力として妥当かどうかの検討を行った。同時に、木造建物特性と関連する地震動を規定するパラメータの検討を行い、確率論的および確定的な地震動による建物の耐震安全性評価法に立脚した地震信頼性解析を実施した。
(6)木造建物の被害シミュレーション法確立のために、既往の研究資料と木造建物の復元力と動力学特性に関する資料を収集し、木造骨組みの内、特にその接合部に関する復元力特性モデルの適切な選択と壁材の耐震性について検討を加えた。

研究成果

• [文献書誌] S.Suzuki and K.Asano: "Simulation of near source ground motion and its characteristics"Proceedings of 9th International Conference on Soil Dynamics and Earthquake Engineering. Aug.. 58 (1999)
• [文献書誌] S.Suzuki and K.Asano: "Simulation of strong motion using parameters based on recorded accelerograms"Proceedings of 12th World Conference on Earthquake Engineering. Ref.2458. (2000)
• [文献書誌] 浅野幸一郎、中川肇: "Poly-linear型履歴ダンパーを用いた多層構造物の最適地震応答制御について 〜Poly-linear型履歴ダンパーの最適剛性分布の評価"日本建築学会構造系論文集. 第530号(印刷中). (2000)
• [文献書誌] 渡辺祐一,永井健太郎,松田敏,浅野幸一郎: "不均質断層破壊を考慮した地震動モデルについて"日本建築学会近畿支部研究報告集. 第39号. 329-332 (1999)
• [文献書誌] M.Kawano,K.Asano,H.Dohi and S.Matsuda: "Non-linear site response during the 1995 Hyogo-ken Nanbu earthquake"Proceedings of 9th International Conference on Soil Dynamics and Earthquake Engineering. Aug.. 189 (1999)
• [文献書誌] M.Kawano,H.Dohi and S.Matsuda: "Seismic analysis of integrated whole system with source,propagation path and structure"Proceedings of 12th World Conference on Earthquake Engineering. Ref. 407. (2000)