研究概要 |
本研究は、研究計画に基づいて、研究を行い、その研究成果を得たので以下に示す。 1.平鋼を挿入した膨張コンクリート充填鋼管ブレース材の繰り返し圧縮実験 本鋼管材は、上記実験結果と過去に実施した同様の繰り返し引張実験の結果から、制振ブレース架構のブレース材として、その実用性が極めて高いことを明らかにした。 2.膨張コンクリート充填鋼管材の基本特性に関する研究 (1)膨張コンクリート充填鋼管材の膨張特性に関して 水結合材比20〜30%の膨張コンクリートは,膨張材の置換率を55%以上の調合にすれば,膨張能力の極めて高いコンクリートを作製できる。また、本鋼管材の拘束鋼管降伏時のコンクリート膨張圧を評価する実用的算定式を提示した。最後に、約3年半におよぶ,長期プレストレスの計測結果から,プレストレスの減退はほとんど観測されなかった。 (2)膨張コンクリート充填鋼管材の力学的特性に関して 本鋼管材の圧縮実験及び平鋼を挿入した本鋼管材の引張実験の結果から、本鋼管材が圧縮力や引張力を受けるときの、本鋼管材の鋼管やコンクリートの圧縮特性や引張特性を明らかにした。また、それらの特性を精度良く表す簡便で単純な力学モデルを構築した。 3.膨張コンクリート充填鋼管材の制振ブレース架構への適用に関する研究 制振ブレース材の圧縮時の設計は,ブレース部材が座屈を起こさず,ブレース部材外端部の平鋼の降伏によって,その圧縮耐力が決まるように断面を設計することを圧縮時の設計条件とし、その設計用圧縮耐力式とその設計条件式を提示した。また、制振ブレース材の引張時の設計条件を,拘束鋼管がその一軸引張降伏強度に達すると同時にブレース材外端部の平鋼が降伏するように断面を設計するとして,その設計用引張耐力式とその設計条件式を示した。
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