研究概要 |
建築物内部における火災時の竪穴での煙流動に関する基礎的な知見を得るために,傾斜角を自由に設定できる廊下状の模型を作成し,天井面が傾斜した空間に熱気流を流入させ,その空間を上昇する気流の性状を把握した。その結果,勾配45°付近までは角度の増加とともに伝播速度は増加するが,それ以上では角度による伝播速度の違いがなくなること,また角度が急になると対向流の影響が顕著となることを見いだした。さらに,床面の有無による影響についても検討した結果,床面拘束がない場合に煙層厚が増加し,伝播速度が低下することを見いだした. 次に,密度流モデルによる傾斜路天井面での煙流動モデルを構築し,模型実験で得られたデータと比較し,モデルの妥当性を検証した。その結果,勾配45°以下では,密度流モデルにより良い精度での予測が可能であることを示した。
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