研究課題/領域番号 |
11650611
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
石野 久彌 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (80150267)
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研究分担者 |
郡 公子 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20153504)
中山 哲士 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (90264598)
永田 明寛 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (60228020)
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キーワード | 躯体蓄熱 / 放射冷房 / 有限要素法 / 2次元非定常伝熱 / 深夜電力 / 温熱環境 / 実用的計算法 / 結露防止 |
研究概要 |
躯体蓄熱はエネルギー利用の高効率化と平準化という21世紀の人類にとって真剣に取り組みべき課題に対する有用な手段である。期待される効果としては、空調設備容量や電気設備容量の削減によるイニシャルコストの低減、深夜電力利用や搬送エネルギーの削減によるランニングコストの低減、放射冷房効果の期待、非空調時も蓄熱による冷房効果の期待などがある。しかし夜間の熱損失や中間期の蓄熱量決定法の問題など、課題もある。沖縄のO大学図書館の躯体蓄熱の実測を行い、室内環境の実態調査、アンケートによる温熱感調査、蓄熱部位である冷水配管が埋設された床表面温度の分布特性、蓄冷・冷熱放熱特性、エアハンドリングユニットと床放射冷房の負荷分担特性、深夜電力利用による経済性などについて言及した。ここでは、床表面温度のむらは最大1Kと小さいこと、内側からスラブを冷やすことにより1日を通して蓄冷の効果があること、水温を18度とすれば結露の心配がないこと、冷熱放熱量の内20%が放熱され翌日の空調時には66%放熱されること、空調機の処理熱量をかなり減少させることなどが判明した。これらのことを検証したり、新たな展開に進めるためにシミュレーション解析を行った。有限要素法による配管埋設部を含むコンクリートスラブの詳細温度分布の検討、埋設配管をフィンと見なした床の非定常伝熱解析を行った。床を2次元解析行うことは建築計算では無駄となるので、1次元化の工夫がいるが、従来の簡易化は熱的遅れを過小評価するので、ここでは床二種類の放熱応答を重み平均する手法により簡易化を図った。重み係数の特性についても検討を与えた。このことより、空間としての躯体蓄熱効果を評価可能なものとした。
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