太陽エネルギーを建物に直接取り込んで、冬の暖房に役立てられるパッシブソーラー建築における高性能建材を開発するための基礎研究と、わが国主要都市における建物壁への日射量を簡易に求められる図を作成した。 高性能建材に関する基礎研究は、トロンブ壁と呼ばれるガラスカバー付きコンクリート壁面において空気層の熱伝達を抑制するための新材料をその形状と材質の熱的特性を明らかにし、その熱特性を実験によって求めこの値を組み込めるための計算式を求めた。実験値と計算値との照合を数多く行い、この計算式の有効性を確かめた。 高効率蓄熱壁において当日・前日の日積算水平面全天日射量の2変数から回帰分析し、蓄熱壁内表面吸収熱量簡易算定式を検証した結果、実験値との照合で高い相関が得られた。即ち、材料では耐熱性があり紫外線劣化が少なく安価に入手できる波状ポリカーボネイト板を空気層内コンクリート外側面に密着することで収熱効率の高い熱挙動が得られた。 わが国主要都市(14都市)における簡易日射量のためのデータは、1月、5月、8月、10月、年間の各月の平均単位時間日射量(kJ/m^2h)1日変動を、壁面(東、西、南、北、南東、南西)および水平面について新たに計算し用意した。
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