木村湾沿岸に於ける生活排水処理対策は、(1)公共下水道(2)集落排水処理施設(3)合併処理浄化槽(4)雑排水トレンチ等、様々なレベルのメニューが用意され、それぞれに対し補助事業が実施されたきた。 その中でも、雑排水トレンチは公共下水道等の本格的対策に先駆けた啓蒙的な意味合を持ちつつ取り組まれてきた。雑排水トレンチの補助事業は、家庭単位の台所排水のみを対象にして安価で即効性を期待して実施されたきた。十数年前から実施されすでに初期に目的を終え廃棄された施設が大半であるが、現在でも下水道処理区域外でも使用されている。今回の調査では、十年程度経過した施設を対象に処理に使用されている土壌をサンプリングしそのリン酸吸収係数の低減状況を調べた。調査の結果、当初のリン酸吸収係数1000〜1200程度が200〜300程度まで低減しており、十年程度使用した本装置に於けるリン吸着処理はもはや期待できない状況にあることが明らかとなった。
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